2023.04.17
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長きにわたって崇敬されてきた当寺には、多くの人々に親しまれている民話「くわばら くわばら欣勝寺」が伝えられています。 この民話は、「日本の民話」という全国の民話を集めた冊子に収載され、紙芝居などにも仕立てられて、子どもたちにも親しまれています。
伝承されてきた民話では、いたずらの過ぎた雷の子どもが足を滑らせてしまい、井戸に落ちてしまいます。助けを求められた和尚さんはもう雷を落とさないことを約束に、雷の子どもを逃がしてやりました。 その後は欣勝寺や桑原には雷が落ちたことがありません。雷が落ちないように、我が身に不吉なことが起こらないように「くわばら くわばら・・・」と唱えるようになりました。
むかしむかし、そのむかし
雷の子どもの中にあわて者がおったんやて。
雷の子「太鼓を叩こう、ドン、ドドドンもっともっと叩こう。ドンドン ドドドン ドン ドドドン火えん太鼓がいなびかり、ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン雷太鼓が目をむいた。ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン」雷の子どもがとびはねながら、ピカピカッといなびかりをさせては、ゴロゴロッと雷を鳴らしておった。ドンドン ドドドン ドン ドドドンピカピカ ドンドン ピカ ドンドンゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン
雷の子「ひびくわ、ひびくわ。アッハッハ。ドンドン ドドドン ドン ドドドン ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン おもしろい、おもしろい、アッハッハ。 ドンドン ドドドン ドン ドドドン ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン」おっかあ「それそれ、そんなに調子にのり過ぎたら・・・」注意をされかけたとたんに、バチを飛ばしてしもうた。
今度は、大きなじょうろで雨を降らしかけた。雷の子「雨よふれふれ、もっとふれ。雨よふれふれ、もっとふれ。」じょうろを振るたびごとに大つぶの雨となって落ちていく。ドンドン ドドドン ドン ドドドン ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン
雷の子「もっとふれふれ、雨よふれ。雨よふれふれ、もっとふれ。 ドンドン ドドドン ドン ドドドン ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン 下界の者ども、アッハッハ。ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン」おっとう「これこれ、ふざけるでないぞ。」雷の子「もっとふけふけ、風よふけ。風よふけふけ、もっとふけ。ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン 逃げまどっているわ、アッハッハ。」調子にのって大きく振ったはずみに、
じょうろが、手からはなれてしもうた。雷の子「あ、しまった。待て、じょうろ!」じょうろが待ってくれるはずがない。うっかりして雲の切れ目から雷の子は、まっさかさま。
こちらは、三田の桑原むらー。ものすごい夕立ちがして、いなびかりが走ったかと思うと、<ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン>かみなりが落ちる。<ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン> <ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン>
どこの家でも、 みんな、かやの中へ入って ブルブル ふるえておった。 <ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャンゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン>
子「母ちゃん、こわいョ。」母「どうか神さま、仏さま 雷が落ちませんように・・・。」<ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャンゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン>
夕立が 通り過ぎていった。 桑原むらにある欣勝寺の和尚さん、 さっき、大きな音がしたので かみなりが落ちたにちがいない、とそこらを見てまわっておった。雷の子「おーい、助けてけろー。おーい、助けてけろー。・・・・・・」
和尚「はて、どこぞから声がする。」雷の子「・・・・・・おーい、助けてけろー。おーい、助けてけろー。・・・・・・」
井戸の中をのぞいてみると、 見たこともない変な生き物がはまりこんでおった。和尚「お前は 何者じゃ。」雷の子「わいは 雷の子どもだい。 雨を降らせておったら、 足をふみはずして落ちたんや。」
和尚「雷を落としているのは お前なのか。」雷の子「わいや。」
和尚さんは、 さっそく 井戸のふたをし、 でっかい石をのせてしもうたのや。 雷の子どもは、 まっ暗な井戸の中で 身動きもできず、雷の子「おーい、たすけてけろ。おーい、たすけてけろ。」と叫び出した。
そのうち、 泣きわめくわ、泣きわめくわ。 雷の子「たすけてけーろ、ワーンアーン。たすけてけーろ、ワーンアーン。・・・・・・」雷の子「・・・・・・たすけてけーろ、ワーンアン。 たすけてけーろ、ワーンアン。 おっとう、おっかぁ、たすけてけーろ。」
助けてけーろ、助けてけーろ、という雷の子どもの声が、だんだん小さくなってきた。いつもは、桑原むらの上で、すきほうだい雷を鳴らし、雨を降らす。その上、おへそまで取ろうとする。和尚さんは、かわいそうに思いかけたが、そうかんたんには許せない。雷の子「たすけてけーろ、ワーンアン。たすけてけーろ、ワーンアン。和尚さーん。たすけてけーろ。」和尚「いやいや、ならぬ。お前みたいな悪さばっかりしているやつは、ずっとそうしておるがいい。」
雷の子「なんでも、和尚さんの言うことなら聞く。助けてけーろ。助けてけーろ。」和尚「ほんなら、雷を、桑原むらへは二度と落とさないと誓えるか。」雷の子「誓う、誓う。桑原むらへは、ぜったいに落とさへん。助けてけろ。」和尚「ほんまやな。」雷の子「ハイッ、ぜったいに落とさへん。」
雷の子どもは、心からちこうた。和尚さんは、長いじゅずを使って助けてやることにした。雷の子どもは、ようやくのこと、井戸から出ることができたんや。雷の子「和尚さん、ありがとう。」そうして雲の上へと昇っていったんやで。
ドンドン ドドドン ドン ドドドン ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ゴロゴロ ピカピカ ゴロ ピカシャン おっかぁ「それそれ、そんなにきつう叩いたら、 桑原むらの人たちがふるえておるわいの。」おっとう「和尚さんに、お礼を言いながら、 雨を降らすんぞ。」ドンドン ドドドン ドン ドドドン ピカピカ ドンドン ピカ ドンドン ドンドン ピカピカ ドン ピカドン それからというもの 桑原むらの上に来ると、いつもこうだった。
そんなことで、 桑原むらの人たちは、 雷が鳴り出すと、かやの中へ入って、母「雷さん、ここは桑原むらやで。 欣勝寺のある桑原やで。」母子「ここは 桑原 欣勝寺 くわばらくわばら 欣勝寺。 くわばらくわばら 欣勝寺。」 と言って、雷が落ちないように まじないをとなえるようになった、のやて。
三田の民話 紙芝居「くわばら くわばら欣勝寺」 企画・発行 三田市教育委員会 製作 三田の民話・紙芝居編集委員会
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